チューリップ(仮)

ガラにもなくこんなことをはじめてる

同居人

お題「衣替え」

ちょうど昨日、同居人(というか恋人)が衣替えをしていた。衣替えというほど大掛かりなものではないがわざわざどんな作業か説明するほどのことでもないので、その説明はまた今度気が向いたらすることにする。

うちにはリビングの隣にクローゼットや鏡、ハンガー掛けなどなんとなく服に関わるものが集まる部屋がある。私が録画していた地球ドラマチックをみていたとき、彼はその服の部屋でガサゴソと作業をしているようだった。

ほんの軽い気持ちで何をしているのかきくと、予想外に真剣な口ぶりで「それだけは絶対に言えない」と言う。まるで何か重大な儀式でも行っているかのような迫真のおふざけではないか。

くだらない。すばらしい。彼はいつでも最高級のくだらなささを提供してくれるソムリエのようだ。私はくだらないことを言う人がすきで、彼はくだらないことを言うのが誰よりもうまい。

テレビをとめて服の部屋を覗きにいくと彼は「あっどうも」なんて場違いな挨拶をしてきた。私はニヤニヤしながらリビングに戻り、彼は年に2回行われる絶対に口外できない神聖な儀式を続けた。